華麗なる一族 山崎豊子

華麗なる一族


華麗なる一族(上) (新潮文庫)

華麗なる一族(上) (新潮文庫)

テレビでは見た「華麗なる一族」ですが、山崎豊子大地の子」の再放送のたびに泣いていた記憶で、どうしてもこの作品の原作を読んでみたくなりました。全3巻でまずは上巻。やはり原作はドラマとは別物だと思っていいですね。ドラマでは万俵鉄平中心に進んでいきますが、原作では父親の大介、妻の寧子。執事、家庭教師、愛人の高須相子の関係が深く描かれています。あまりにもドラマの影響がおおきく、それぞれの人々に男優、女優の顔が浮かんできます。読後にドラマを見たほうがよかったのかと悔やまれます。

そんな中、小物などが気になる私としてはあの鯉「将軍」です。原作中では錦鯉で「墨流し」という黒の濃淡の鱗を持つ寿齢50年、体長80cmあると言います。ドラマ中では話題になったラジコン制御のレンタル料130万円の物です。もうひとつはエンディングにも影響を与える猟銃ですね。「ジェームス・パーディ」という当時1960年代だと2千万?するという物です。身長に合わせて銃床の長さを決める。原作では製作に3年3ヶ月かかって作られたと書いてあります。銃一匁が金一匁するという垂涎の銃なのです。山崎豊子のこのような「こだわり」のところをもっとドラマでは出してほしかったですね?でもそんな場面ばかりだと「エンスー」な人達ばかりしか見なくて視聴率が落ちるのでしょうか(^^ゞ