人は見た目が9割 竹内一郎

人は見た目が9割 (新潮新書)

人は見た目が9割 (新潮新書)

タイトルだけでも面白そうで,また惹きつける要素を含んでいます。85万部のベストセラーとなったとか。まあ,タイトルで受けたのが9割かな?いたるところに漫画の例が出されています。漫画家はいろいろな才能が要求される,脚本家,照明家,カメラマン,監督(演出)デザイナー,なるほどうなづけます。特に日本の漫画は劇画です,動きがあり音が聞こえてきます。オノマトペが多用されています。これら漫画の伝達力の高さは世界一だと述べています。その漫画は「見た目」勝負の文化だと。
また「ノンバーバル・コミュニケーション」という言葉が良く出てきます。「ことば以外の膨大な情報」これで伝達している。顔の表情55%  声の質,大きさ,テンポ 38% 話す言葉の内容 7%。なんと話す言葉7%以外の93%は顔の表情や声の質,身だしなみなども大きく影響するのだそうです。ここにこのタイトルが生まれたようです。言葉がコミュニケーションを造ると考えるのはあやまりだというのです。 芳賀氏の「日本人の表現心理」を引用して日本人は,弥生時代から田畑を「語る」「しゃべる」必要なく黙々と耕してきた,一方ヨーロッパでは自己主張して,自分の立場を明らかにしないと,自分の権利,存在も危うくなるので,論理学,修辞学も必須であったといいます。日本では,ノンバーバル・コミュニケーションで扱われる情報量が多くなると言います。要するに,ノンバーバル・コミュニケーション力をつけると,人生を豊かになっていくということのようです。そのための例が,多岐にわたっているので話題が散逸して作者が言わんとしていることがよく分からない気がします。気楽に横になって読める本ではあります。タイトルだけで買うのはそろそろやめにしましょう。