変貌する子ども世界 本田和子 変貌する子ども世界―子どもパワーの光と影 (中公新書)作者: 本田和子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1999/07メディア: 新書購入: 4人 クリック: 29回この商品を含むブログ (3件) を見る

戦後50年の記念行事の一環としての講演や連載原稿をまとめた本です。1940−1950あたり生まれの子どもの変化がうまく書かれています。団塊の世代にはうれしい話です。懐かしいTV番組,そのころのヒーローのこと,バラエティー番組,ゲームにまで触れています。1954年のTVのヒーローは「力道山」空手チョップが大流行,それから「鉄腕アトム」「鉄人28号」「ウルトラマン」「仮面ライダー」「ドラえもん」「セーラームーン」。バラエテイでは「8時だよ!全員集合」(16年も続いたそうです)漫画では「週間少年ジャンプ」「週間少年マガジン

それからお菓子。キャラメルは「お菓子の王様」と言われキャラメルの時代があったと言います。代表的なのは「森永ミルクキャラメル」キャッチフレーズが面白いです,子どもだけがターゲットではなく大人の禁酒禁煙運動も兼ねていたといいます。「ご存知の森永ミルクキャラメル 値段格外におやすく 風味特別においしく 常に携帯すれば 禁煙の断行 禁酒の実行 尚身体を強壮ならしめ 無二の友とすることを得ん」次にチョコレート,テレビとタイアップして売れたのが明治製菓の「マーブルチョコレート」。「マーブルちゃん」こと上原ゆかりはアイドルスター。このころから販売戦略にコマーシャル重視の情報化時代に突入する。などなど懐かしい話が続きます。それではなぜ子どもたちが変わった,変化したのかの問いに対して,「子どもー大人関係」が社会の激変によって「保護・愛育」「教育」すべき子どもとの関係が破綻して,両者のコミニュケーションが断絶しかけているといいます。本書ではではどのようにそれを修復していくかまでは触れていません。すでに戦後60年となってきている今,「子どもー大人関係」はそれ以上の問題をはらみつつ進んでいることは確かではあります。


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