99.9%は仮設 竹内 薫

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

これもタイトルで読ませる本ですね。科学的な事例を数多く出して「世の中のぜんぶ仮説にすぎない」と言い放ちます。「思い込み,常識,前例,先入観,固定観念」そう言ったものに縛られている人は必読のようです。「飛行機はなぜ飛ぶのか?」から先ず入っていきます。飛行機の飛ぶ仕組みは実はまだよく分かっていないと言います。常識的に「ベルヌーイの定理」で翼の上と下を通る空気のスピードが違うからと説明するが,本当はそうではない,飛行機は「わかっていないけど飛んでいる」というのです。世の中はすべて仮説でできている。科学はぜんぜん万能ではない。自分の頭がカチンコチンに固まっている,と言うことが分かってくるのだといいます。

ガリレオは望遠鏡を作り山,森,建物が目の前に大きく見えることを示し,それから天体を見せた。月のクレーターまでがはっきりと見えたが,人々は風景が大きく見えることは認めたが天体には「デタラメだ!」として認めようとしなかった。そこには当時の天上界は,神が住む世界で規則正しく動いているという常識があり,でこぼこの月があってはならないのです。望遠鏡の正確さより,自分の頭にある主観的な思い込みが当時は正しいのでした。あたまを柔らかくして世の中のものをすべて仮説としてみていくと見えないものまで見えてくると言います。世の中に100%の客観などありえない,最期に作者自身が言う「すべては仮説にはじまり,仮説に終わる」という主張を反証可能かどうかやって欲しいで終わります。どうなのでしょう?また,タイトルで読んでしまいました。