ことば遊びの楽しみ 阿刀田高

ことば遊びの楽しみ (岩波新書)

ことば遊びの楽しみ (岩波新書)

「ことば遊び」は日本語を深く知るほどにその奥の深さと多彩さを感じます。この本はその道しるべでも教えてくれるかのようにいろいろな使い方や、古来からの「ことばの遊び」をわれわれに提示してくれています。駄洒落、いろは歌、回文、アナグラムなどなど実例がたくさんでてきます。景気の話をしている二人「どう、おたくのほう、景気は?」「日光のひとつ手前」「なんだよ、それ」「いまいち、だ」つまりJRに日光駅のひとつ手前は「今市」ということ。

「親っていう字はね、立木のそばで見ているのが親なんだ」という漢字の成り立ち的なこと。「子子子子子子子子子子子子」を何と読むか。子の字がコ、ネ、シの発音を持っている、古文では助詞のノを省くなどを考慮してなんと「ねこの子、子ねこ、獅子の子、子獅子」と読めるというのです。この「遊び?」なぞなぞ?奥が深いですね。英語の畳文的なものにも I never saw a saw sawed a saw.「私は、のこぎりがのこぎりを引いたのを見たことがない」京都の居酒屋の壁にあった張り紙に「京の女に言う」何かというと「今日のメニュー」だと!面白い!