メディア・リテラシー 菅谷明子

メディア・リテラシー―世界の現場から (岩波新書)

メディア・リテラシー―世界の現場から (岩波新書)

少し前によく耳にした言葉です。「多様な形態のメディアにアクセスし,どうメディアが機能しているかを考えて,情報を主体的に読み書き,コミニケーションをはかる能力」としています。「コンピュータ・リテラシー」「情報リテラシー」などもよく聞く言葉ではあります。いわゆる,それらの情報を建設的に理解し批判するとともに,自らの能力を表現する能力のことを言うようです。1930年代ころからイギリスではすでに教育現場での実践があったといいます。そして国語教育の一環としてメディアを学ぶというのです。「メディアを教えることは国語の延長線上にある極めて自然なこと」「自分がどんな文化の中にいるのか,それを知るのが国語であり,メディアを学ぶことはその理解を広めるために必要なこと」として認識されているようです。日本の国語教育とは随分違うようです。常にテレビ,ラジオ,映画,雑誌などに批判の目を持ち,一方的な情報のみを信用しないでいることは高度な能力が必要ではありますが,真実を求めていくには大切なことであると思います。