スポーツを「読む」 重松 清

山際淳司

スポーツライターの凄さを読者に伝えてみませんか」という誘いの雑誌に発表した連載をまとめた1冊のようです。 39人のさまざまライターを載せています。ライターと言っても,ルポライター,マンガ家,タレント,作家,作詞家,お笑い芸人などなど肩書きはいろいろあるけど,「スポーツ」を「書く」人々を取り上げて,その方々への「ファンレター」としています。
私自身,スポーツは好きですが,詳しくないし,新聞もさほど掘り下げて読みません。野球の話で,あの試合の何回の場面でのだれだれがどうだったとか,あの選手はどこどこ高校卒業で,そのときの成績はどうで,プロに入ってどうしているかなどいわゆる,「野球の基礎知識」がないため,そのような話にはついていけないのです。サッカーにしてもしかり,ようするに浅く知り,浅く好きになり,浅く忘れるタイプなのです。このようなスポーツを「読む」となると「へーそうなの」で終わっています。

まず,山際淳司の「江夏の21球」を取り上げています。彼が日本のスポーツノンフィクションの走りだと言っています。「三島由紀夫」のボクシング観戦記では,「三島の観戦記は少々頭でっかちで,レトリックの技巧は尽くしているものの,そのぶんシンプルに躍動する臨場感に欠ける」まさにその通りだと思います。美辞麗句を使い,若さ,肉体を強調しています。すでに三島の晩年に近いころの作品のようです。そのほかに寺山修司村上春樹,村上 龍など「スポーツを読む」ことのスポーツの「ス」は「ストーリー」の「ス」であるとしてノンフィクション作家らを紹介しています。


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