神を見た犬 ブッツァーティ

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神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)

神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)

ディーノ・ブッツァーティ1906-1972(Dino Buzzati)はイタリアの奇想作家と呼ばれているようですが,短篇の名手であることには間違いないでしょう。最後の数行ではっとする場面,映像として頭に残る場面が随所に出てきます。あの映画監督フェリーニにも影響を与えたと言います。このタイトルの「神を見た犬」も実に幻想的でまた映像的にもすばらしいものです。忠犬ハチ公のように隠修士シルヴェストロに使える犬,ガレオーネと呼ばれている。毎朝パンをもらいにきては主人に届ける。その主人は本当に神だったのか,そうだとすると神を見た犬になるわけになる。町中を動き回る犬の姿が目に映るようです。他に「アインシュタインとの約束」もどんでん返しがあり,星新一も影響されたのではないかと思わせるショートショートの好短編です。

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