数に強くなる 畑村洋太郎

数に強くなる (岩波新書)

数に強くなる (岩波新書)

「数字」ではなくあえて「数(かず)」に強くなると強調しています。たとえば「りんご,3,個」が全部そろったら「数」であり,「3,3個,りんご3」では「数」ではないと言うのです。「数」を説明するに1)物事の数量的な属性を記述し表現する 2)「種類」「狭い意味での数」「単位」を構成要素とする 3)「数を作る」という動作を含むとしています。ここまでだとよく分からないですね。「数の感覚をみがく」ことが大切と言います。確かに食事の割り勘計算や,儲け話,各種の利率などをすらすら言えたり,計算したりできる人がいます。数字のセンスがあると考えますが,筆者はそうではなく「数の感覚」は誰にでもあってそれを磨くことが必要だそうです。

最近世界のナベアツが「3で馬鹿になる」と言う芸?で受けています。最初に見たときはわけが分からなかったのですが,実は大変難しい芸ですね。20位までならいいが,30台になると40まですべて馬鹿?ここが味噌なんですね,笑いをとる場面でもあります。筆者は「気色が良い数,気色が悪い数」として面白いのを挙げています。「気色が良い数」2,3,5,7,12,24など反対に「気色が悪い数」11,13,19,31などを指摘しています。何故なんでしょう。どこが気色いいのかと言うと,「他の数と仲良くできる」たとえば18と24は2と3と6の「公約数」を含んでいるからだといいます。

同書より「ドンガラのすすめ」
「105000」を3ケタに区切ると「105,000」となり気色悪い。「10,5000」とすると日本人にはすんなりと入ってくる。確かに10万5千です。3ケタ区切りは欧米式「欧米か?ではない」のやりかたで「千(thousand)」で千が105個あるとする。

「ドンガラ」の考えも面白いです。見かけはドンと構えて立派だがフタを開けたらガラン胴ということで大きいものを見たら重さを予測することのです。たとえば車のドンガラ率は1/15くらいなので縦×横×幅×1/15だと大体の重さが分かる。ウム私の車はどうだろう,4.5×1.8×1.3×1/15=0.702 実際は1600kgくらいあるので私の車に関してはドンガラ率は1/6.6くらい。

階段の数で高さを推測するのも興味あります。私は目黒線駅の階段を毎日124段の階段を登っています。1段の高さを測ってみたら16cmくらいあります(これも勇気がいる行為?)そうすると駅は地下何mの深さにあるか推測できます。124×16=1984cm,目黒線の深さは19mくらいあるのでは。公式のHPで見ると18.7mになっています。1段15cmだとなんとぴったりになります。このように常に「数」を意識すると「数学嫌い」も「数」の面白さに目覚めます。

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