坂の上の雲 第5巻 第6巻 司馬遼太郎

rensan2010-04-06

新装版 坂の上の雲 (5) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (5) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (6) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (6) (文春文庫)

第5巻は「203高地」から始まっています。「難攻不落」といわれたロシアの地を奪って,その頂上から旅順港内の艦隊を陸上砲で撃つという作戦にでたのでした。ただし,これはいままでの無能な乃木にやらしていたらできないので,一時児玉源太郎に指揮を預けるという形をとったのでした。児玉と乃木の参謀の伊地知との言い合いはものすごいものがあったらしい。また,児玉は乃木に「おぬしのその第3軍司令官たる指揮権をわしに,一時借用させてくれぬか」という重要な場面が出てきて,乃木に代わって指揮をとることになります。

東郷平八郎(1848-1934)

乃木希典(1849-1912)
これで203高地が落ちて,旅順港にいるロシアの艦隊を撃沈したのでした。この旅順で東郷平八郎(1848-1934)は乃木希典に会いにきます。この両巨頭の話はなにを述べたのか分かっていませんが,203高地を落としたお礼と乃木の2児の戦死に弔意を述べたのではと作者は書いています。真之も東郷と一緒にやってきて「この両将会見の状況だけは,筆舌の尽くすところにあらず」と言ったとしています。

ロジェストウェンスキー(1848-1909)
第6巻ではバルチック艦隊が世界一周とまではいわないがバルト海を出てアフリカ希望峰を回わる航海にでています。マダカスカルのノシベにて2ヶ月も支援部隊を待つためにとどまり,その間も燃料の石炭の確保と積み込みがいかに大変だったかが分かります。当時日本は日英同盟を結んでいるため,ロシア側は世界の海王のイギリスに悪さをされ石炭の積み込みもままならなかったのです。バルチック艦隊司令長官のロジェストウェンスキー(1848-1909)についても多く語っています。いかに東郷とは違った性格で統率のなさ,自己中心的な考え,最後は負傷して旗艦スワロフをすてさるのです。一方,ロシア国内では明石元二郎(1864-1919)が豊富な資金を持って不平党に資金援助をしロシアを内部から崩壊させようとしていたのです。


⇒1クリックお願い人気ブログランキングへ