謹賀新年

健康診断で東京鶯谷に行きます。そこで、検診が終わったら食事のデザートに近くの店の「羽二重団子」というものが出ます。検診の後のデザートに変だなとは思っていましたが、近くの羽二重団子と言う老舗(文政2年創業)のものであるということです。またすぐ近くに子規庵(正岡子規が晩年母と妹と住んだ)もあり妹の津に買いにやらせたようです。焼きと餡の2種しかありませんが、その素朴な味が長く続いている理由でもあるのでしょう。
昨年の12月で3年にもわたってNHKで放映された「坂の上の雲」(司馬遼太郎作)が終わりました。「まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている。」で始まり、日露戦争を中心に陸軍の秋山好古と海軍の真之、それに俳人正岡子規を交えて描いた大作でした。3年間という長い期間にわたって放映されたこともあり、原作とドラマの内容を思い出すのも時間がかかりました。その最終巻「雨の坂」に真之が子規亡き後の子規の母と妹を訪ねて途中、羽二重団子屋に立ち寄る場面がありました。あの羽二重団子が登場しました。
江戸時代から明治維新をとげ、近代国家へと進んできた「まことに小さな国」が日露戦争でバルチック大艦隊を破ったことにより、文明国に仲間入りしたとの勘違いからその後の戦争への道につき進んだ原因でもあったのでした。真之がバルチック艦隊との決戦前に打った電文「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」はまことに小さな国が、大きくなったと思われる現在でも、あらゆることに「浪高シ」は言い得ていることではないでしょうか。みなさまのご健康をお祈りいたします。

平成24年 元旦

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