絵巻で読む中世 五味文彦 絵巻で読む中世 (ちくま新書)作者: 五味文彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1994/10メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見る

絵巻で読む中世


鳥獣戯画」から始まり最後は「今昔物語」の中から説話を取り上げて、これを絵巻にしたらどうなるだろうか、ということにまで進めている。その発想も面白いし、AとBの二者による問答によって分かりやすく解説したところも見逃せないところです。筆者は第一に絵巻のテーマをきちんと把握する。第二、ことばと絵との交流に見られるストーリー性を把握する。第三、絵を群として把握することが大事だとまとめています。普段は美術品としてしか見ていなかった絵巻物を、それらの鑑賞点でもってみると随分違ってくるでしょう。それには全体を見渡すことができることと、じっくりと時間をとってみることが肝要ではありますね。