テレビの明日 岡村黎明

テレビの明日

テレビの明日 (岩波新書)

テレビの明日 (岩波新書)

最近はTV局の「やらせ」問題が続発していますが、さまざまな問題を挙げ、日本のTVはどこへ行こうとしているかの問いをながかけてくれています。1953年の3月にNHK東京テレビジョン、8月にNTV日本テレビ放送網がテレビ放送を開始し、この年は記念すべき年だったのです。世界のテレビ事情から始めて、ソ連崩壊の影の主役は衛星から流れ出たテレビ放送、情報の流入、流出からだったとしています。同じように中国の「天安門事件」。

そんな中、日本のテレビは何をやってきたのか。技術革新だけを追っていなかったか、テレビ、ジャーナリズムはどこまで育ててきたのか?またNHKにもその放送責任をするどく追及しています。「官僚主義、事大主義、優越意識、非能率、基幹放送という権威主義、受信料の上での安住主義」最近のNHKの不祥事によりそれらの批判はいっきに噴出してきている感があります。この著作はそれを予感させてくれるものが随所にあります。