環境税とは何か  石 弘光

環境税とは何か (岩波新書)

環境税とは何か (岩波新書)

6月5日は「環境の日」「世界環境デー」です。地球温暖化問題など環境問題が大きく取り扱われることが多くなりました。その中で,炭素税と並んで「環境税」と言う言葉も良く出てきます。二酸化炭素排出量の抑制を目標に,化石燃料が排出する炭素含有量に賦課する炭素税のことをいいます。また,広く個別消費税や課徴金などが環境税とすることもあります。これらが論じられる背景には「地球温暖化問題」があります。はたして地球の温暖化が進むとどうなるかというと1)海水面の上昇による沿岸域の侵食や島嶼国の消滅 2)異常気象による集中豪雨,干ばつ,渇水の危機 3)農産物の減少による食料パニック 4)自然生態系の変化で絶滅する種が増加 5)伝染病,熱射病の発生が急増し人体に影響する と言われています。また炭素税のデミリットも挙げています。 1)税負担は逆進的となり所得分配上の不公平をもたらす 2)経済成長を阻害する 3)国際競争力を低下させる 4)地球温暖化防止と炭素税の構築に疑問 5)国際協調が不可欠だがその可能性はあるか   

日本は2010年には,二酸化炭素排出量を一人当たりでも,また総量でも1990年レベルで安定化を図ると公約しました。ドイツではガソリン車の自動車税を低燃費車では従来車より1/4も低くしたそうです。一国だけが取り組んでも仕方がないので,国際協調が第一であるとは思います。その中でも二酸化炭素排出量のTOP1,2のアメリカ,中国の政策にもかかってくる問題だと思います。