アメリカの環境保護運動  岡島成行

rensan2007-06-09

アメリカの環境保護運動 (岩波新書)

アメリカの環境保護運動 (岩波新書)

アメリカにはNWF(全米野生生物連盟)会員580万人や,GreenpeaceUSA 85万人,など巨大な環境保護団体が目白おしです。日本の最大の団体は「日本野鳥の会」で3万人ほどだそうです。その規模の違いが顕著に出ています。なぜこれほどにアメリカでは力強く,大きく成長してきたのでしょう。長い間,新聞記者生活をしていた著者が歴史を紐解いて解説しています。独立後のアメリカは西へ西へと領土を広げていきます。アメリカではだれでも自然と闘い開拓して築いていったので,都市生活者が築いていったのとはわけがちがうのです。アメリカが胸をはって自慢できるものは絵画や建築物などではない自然そのものだったのです。こういう自然環境の中で進んでいく精神がもともとあったのです。

自然を知ろうということからはじまって,学校での環境保護教育,大学での環境教育が日本との差を広げていったとしています。日本人が漠然と環境や自然に関しては,日本が優れていると感じているのは勉強不足もいいとこだと断言しています。国立公園内でのレンジャーの「自然教室」など,無料で参加でき,自然を舞台に様々な遊びや学習を教えてくれる制度など,すばらしいものはないとも説明しています。