国文学 8月号

国文学8


特集「川柳 狂歌・狂句・雑徘」
柄井川柳(からいせんりゅう)立机(りっき) 250年(8月25日)の記念の年が今年だということだそうです。サラリーマン川柳「サラ川」と言うらしい。身近でもよく見かけることはありますが正面きって読むことはない気がします。ちなみに最近の第一生命のサラリーマン川柳(歴代一位)から引用してみると

昼食は 妻がセレブで 俺セルフ

オレオレに 亭主と知りつつ 電話切る

「課長いる?」返ったこたえは 「いりません!」

タバコより 体に悪い 妻のグチ

連れ込むな!わたしは急に 泊まれない

などなど,流行語をたくみにとりこんでにやりとする作品がいっぱいです。俳句と川柳はどう違うのか。この号の「口語俳句と川柳とはどこがどうちがうか」では,「言い過ぎる,作者が前面にでて,言いたいことをはっきり言うのが川柳」「俳句では機知を嫌う」「口語的表現は余韻とか雅が希薄になる」「俳句は五七五で小宇宙を作る,川柳は作者の思いや考えを主張しようとする」などが「違い」だといいます。江戸川柳の3要素は「滑稽」「穿ち」「軽み」であるといいます。現代川柳の作品をここからいくつか引用します。
「滑稽」まっすぐに生きてきたんだ資産ゼロ   瓶も女も並んでいるとおとなしい
「穿ち」島を去る老医に代わり老医来る    ヤキトリの串にも絡みつくアジア
「軽み」最大のスリル結婚すると言う   仏さまといつもいのちのはなしする