カレーを作れる子は算数もできる 木幡 寛

カレーを作れる子は算数もできる (講談社現代新書)

カレーを作れる子は算数もできる (講談社現代新書)

本当にそうなのかと思わせるタイトルです。その理由を答えたらすでに終わってしまいそうですが,内容は算数のいろいろな問題があって楽しめるものです。まずタイトルの答え。初めてカレーライスをレシピ通りに作れるのは,筋道立ててものごとを考えることができたということ。注意深い観察,レシピ通り料理の流れを実行するパターン認識・量の認識と把握,このような「論理的思考能力」が算数・数学にかかせないというわけです。また秋山 仁氏の著作例を挙げ,4つのことが身に付いていたら高校レベルの数学なら理解できる。1)靴箱に靴をそろえて入れることができる 2)料理の本をみて,作ったことない料理を作ることができる 3)知らない単語を辞書で引くことができる 4)家から学校までの地図を描くことができる

一見,算数にとっても関係なさそうなことばかりです。普段の生活態度,常識ばかりです。また常識を疑って考えることが必要と言います。マッチ棒が横に5本並んでいます。これを使って完全な円を作りなさい。マッチ棒を折ったり捨てたりはできません。答えは「¥」です。常識外ですね。1億という数字(日本の人口は約1億人)を考えさせるのも面白いです。1辺が1mmの大きさの正方形を1としたら1億とはどれくらいの大きさの正方形になるか?(レベル=小学校3年生)なんと1辺が10mの大きさの正方形だということです。1mmの人間がいると1辺10mの正方形に日本人はすべて収まってしまいます。これなら想像できますね。算数,学力はHOW TO ではなくWHYからスタートしなければならないということです。