日本語学 6

rensan2008-08-01


今年の「全国高校野球選手権記念大会」が8/2より開幕します。第90回目ということで「記念」の文字が付き,55校が参加となるようです。今年の選手宣誓は「福知山成美 椎葉一勲主将」がやりますがどのような内容か気になるところです。最近の「選手宣誓」の内容が変わってきているなと最近感じることがあったからです。本誌の「敬語の指針」についての補足・解説で陣内正敬氏が面白い記事を載せています。「甲子園の高校野球選手権宣誓」を通して戦後の日本人の自己表現方法の変遷を示し,具体的にその実態を観察する,として1968年と2007年のものを比較しています。少々長くなりますが引用したいと思います。

まず,1967年では「宣誓。われわれ選手一同は,スポーツマンシップに則り,正々堂々と,試合することを誓います。」ところが昨年は「宣誓。今僕たちは,これまで支えてきてくれたすべての人々への感謝の気持ちを胸に,憧れの夢舞台,甲子園球場に立っています。今まで味わった悔しさ,押しつぶれそうなプレッシャー,そして,勝利の瞬間の喜び,こうした思いを胸に,最高の仲間と心を一つにして,この夏を青春の1ページに刻むため,深紅の大優勝旗を目指す49代表の選手一人一人が,一生懸命,ひたむきに,最強の挑戦者となって,謙虚な気持ちで白珠を追い続けることを誓います。」

この長さの違いが際立っています。後者の方は自己表現にかなりの違いがあります。およそ40年の隔たりになにがあったのかを筆者は述べています。1970年代までは50字弱だったのが200字を超えるものが出てきた。従来の「絶叫調」から「語り調」になってきている。選手宣誓もひとつの枠で,許容される個性を求め始めているとしています。

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