決断力 羽生義治
- 作者: 羽生善治
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/07/08
- メディア: 新書
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普段,軟弱で優柔不断といわれているので,このような「決断力」と正面きってくるとたじたじしてしまいます。多分一般人向けの本なので,将棋の詳しい話はしていないだろうとの想像はしていました。1996年には将棋界の7つのタイトル(名人 竜王 将聖 王位 王座 棋王 王将)を独占。これがどれだけすごいことかわからないので論外かもしれません。それでもその「決断力」なるものは知りたいとは思います。また,羽生氏は「直感の7割は正しい」とも言っています。「直感力はそれまでにいろいろ経験し,培ってきたことが脳の無意識の領域に詰まっており,それが浮かび上がってくるものだ」そんななかで,これが一番いいと思ったことは7割は正しいのだそうです。
若い世代なのできっとパソコンで勉強してきて,それですごいのだろうとも想像しますが,氏は「パソコンで勉強したからといって,将棋が強くなるとはいえない」と断言しています。パソコンは予備データとしてしか使っていなくて「これから先はこんな手がある」とは教えてくれない。「自分で手を動かすことが知識に血肉を通わせることになる」として試行錯誤を重ねることによって,生きた知識が蓄積されるということです。一朝一夕に名人は生まれたわけではなく,継続できる情熱を持ち続けることが才能であり長い目で見ると伸びるとのこと。納得。