おまるから始まる道具学 村瀬春樹
おまるから始まる道具学―モノが語るヒトの歴史 (平凡社新書)
- 作者: 村瀬春樹
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: 新書
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厠ゲタのお話も日本独特の珍しいものです。陶器の重いゲタが厠に置いてあったりします。ここには日本の和風建築も影響して,履物を脱いで上がる床より不浄な厠では藁で編んだ草履などを使っていた。ゲタも使うようになり,歩けない履物ではない陶器のゲタも登場したのです。興味を抱かせたのは女性用立ち用便器です「サニスタンド」としてTOTOが1951年ごろに販売もしていたようです。日本では近代になるまで立小便は女性の排尿スタイルでもあったのです。そういえば祖母も立ち小便をしたのを目撃した記憶が。江戸より上方には歴史が古く,明治になって女性の立ち小便を禁止してから現在のようになったようです。男の子が立ちしょんべんを男らしいと思っていても,女性も同じように,再び立ち小便をはじめたら「男らしさ」はなんで判断するのでしょう。すでにその垣根はないのかもしれません。ここで日本と西洋のトイレでの警句。
「急ぐとも心静かに手を添えて外に漏らすな松茸の露」
Keep me Clean and use me well.And What I see I will not tell.