環境先進国江戸 亀頭 宏

環境先進国・江戸 (PHP新書)

環境先進国・江戸 (PHP新書)

「江戸時代」は「レンタル,リース,リサイクル」が徹底した「循環型社会」のありようで,当たり前と言えるエコ社会でした。「江戸時代の生活と環境問題を掘り起こして」紹介した著書です。江戸時代にはリペアとして破れた紙を張り替える提灯の張替え,鍵の修理,刃物磨屋など,リユースとして樽を再利用,古着を集める古手屋。レンタルとして貸し本屋,借家などなどあらゆる仕事が存在していました。かまどの中の燃え切った灰も肥料として集め,し尿ももちろん立派な肥料としてお金になっていたのです。しかしまったくゴミがでなかったと言うとそうではありません。川筋へゴミを捨てないように触書がでたり,永代島へゴミを捨てて埋め立てをした記録は残っています。それでもゴミであふれかえるというところまではいなかったようです。

17世紀のロンドンでは窓から便器の中のものを投げ捨てていたし,パリのベルサイユ宮殿にも便所がなかったのも事実なようです。下水道から流れ出たゴミ,糞尿,動物の死骸でセーヌ川は悪臭を放っていたとも言います。一方,日本の隅田川では白魚が取れ将軍にも献上され,品川沖では海苔もとれ江戸名物となっていた。江戸時代の社会は究極の資源節約型の消費社会だったのです。

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