岡本太郎 明日の神話

最近岡本太郎(1911-1996)の大壁画「明日の神話」がメキシコより帰り,渋谷駅に設置されたとは聞いていましたが,実際に目にしてその大きさと激しさに感動します。京王井の頭線とJR渋谷駅の通路に高さ5.5m幅30mの巨大壁画が設置されたのは2008年11月。岡本太郎が住んでアトリエにしていた南青山の家に近い渋谷に落ち着いたのは喜んでいいことでしょう。「こどもの城」の前の「こどもの樹」のモニュメントも渋谷区神宮前にあり,アトリエも記念館になって渋谷区にありでここに集まったのは記念すべきことでしょう。

國文學」2007年2月号「岡本太郎とメキシコの壁画」山田 論によると1968年メキシコの大型ホテルオテル・デ・メヒコの壁画のために現地にアトリエを構えた。「メキシコ壁画運動は20世紀の初頭に世界で最初の社会革命となったメキシコ革命(1910年)によって誕生した芸術運動」で約50年の間に総勢300名近い壁画家たちが参加して1300点を超える壁画が制作された国家的な事業であったといいます。その後,ホテルは経営不振におちいりこの壁画も撤去され,倉庫に置き去りにされていたものを,岡本敏子の調査により日本へ戻ってきたとのこと。「唯一被爆国である日本の芸術家として,岡本太郎が選んだ世界に伝えるべきメッセージは原爆を乗り越える人間であった」としています。ピカソの「ゲルニカ」と共に,世界に誇る芸術品であろうと思います。

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