ゴリラとヒトとの間 山極寿一

ゴリラとヒトの間 (講談社現代新書)

ゴリラとヒトの間 (講談社現代新書)

最近続けさまにサルやゴリラの本を読みました。よく新聞記者に,記事がなくなったら動物園へ行け?と聞いたことがあるけど,それほど動物園にはいろいろなニュースやトピックスが転がっているということでしょう。別に私が人間嫌いになって、ゴリラに関する本を読んでいるわけではありません。筆者は中央アフリカのマウンテンンゴリラの生態を詳しくレポートしています。ゴリラとともに目覚め,ゴリラと共に生活する。とても危険なようですが,ゴリラが慣れてくると案外顔も覚えてくれて親しくなるのだそうです。

生態系の専門用語もよく出てきます。「シルバーバック,ディスプレイ,ドラミング,フート音,フーチィング」などなど。ゲップ音をこちらもしてゴリラに近づくと相手も安心する。危険なものが近づくと胸を叩いて相手を威嚇し,それからドドーと向かってくる,しかしそれらはすべて威嚇であって戦いに挑んでくるのではないそうです,それを誤って銃で撃ってしまう。胸たたきは「相手に触れずに自分の力を誇示する」ことだそうです。意外だったのはゴリラ間にもホモセクシャル交渉があるのだそうです。オス集団で暮らすことも多く,若いゴリラから誘うとほぼその関係ができる。

「メスの発情兆候が示す人類の分岐点」では人類が発情兆候を示さなくなったのは,メスが他のオスと密通するため,排卵の隠蔽,発情兆候の曖昧化をはかったためとの議論に筆者は反対して,メスが発情兆候を示さないままに人類に分かれた。人類の女性は発情兆候を示さないばかりでなく,連続した発情状態にも非発情状態にもなれる特徴を持つとのこと。女性が発情状態にあるとき尻が赤くなるのは確かめにくいし,顔が赤くなっているのは発情状態であるとは学問上?証明されてないようです。そうだとするとそのとき,女性を口説きやすいのですが,そう考えるのは私だけでしょうか?

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