断る力 勝間和代

断る力 (文春新書)

断る力 (文春新書)

真っ赤な表紙の新書版は見たことがないです,タイトルに合わせた力強い意思を表すものでしょうか?筆者は34歳(離婚時)からこの「断る力」を身につけ世界が一変したと書いています。この「断る力」は単に人に頼まれて断るだけの意でばかりではなく,「その場の雰囲気」を読むように同調を強要されるときがあるが,それを断ち切る力を付けることも必要だと説いています。この本も一種の自己啓発本ではあると思いますが,「読んだら必ず,何か一つでもいいから実行してみよう」ということで,いろいろなやり方を示唆しています。その中で一番大事なことは,いろいろなものを断るなら,反対に引き受けたことは全力投球,命がけてやるということです。

「断る力」を持つためには自分の実力をつけ,断れる環境を自ら作り出していかないといけない。それらは学校や職場では教えてくれない。筆者はこれまでの仕事の実績とその自信から,最近の公演や出演依頼8−9割は断っていて,残りの1−2割に全力を出し切っているといいます。しかしこれらは絶頂期にある歌手のその時期のたとえに似ているようでもあり,作者が自分を「旬な人」「時の人」と考えている以上,人気がなくなり仕事が少なくなったら「断る力」より「断れない理由」を書いてもらいたいなどとつい思ってしまいます。

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