羽二重団子  東京根岸

rensan2010-12-12


日暮里駅近くに文政二年(1819年)より続いていている団子の老舗「羽二重団子」があります。文政二年といえば第11代徳川家斉の時代。たびたびイギリス船が浦賀に来航し,通商を要求してきた時でもありました。文政八年には「異国船打払令」が出でてしまいます。当時,根岸は音無川に沿った風流な江戸人の別荘があった土地だったとあります。のちに正岡子規(1867-1902)も明治25年から10年間近くに住み,「子規庵」がすぐ近くに残っています。子規もここの団子をよく食べたようで,妹,律と焼き団子か餡団子かを買うのに喧嘩までしたようです。


「芋坂団子を買来たらしむ(これに付き悶着あり)あん付き三本焼一本を食う」

坂の上の雲司馬遼太郎 8巻の最後の章「雨の坂」で,秋山真之が子規の家を訪ねていくとき途中この店により団子を食べた情景が描かれています。「この茶店は「藤の木茶屋」とよばれて江戸のころからの老舗なのである。」とあります。焼きか餡の2種で,その素朴さと羽二重にたとえられるようにきめ細やかさな口当たりに長く続いてきた秘訣があるのでしょう。近くにきたら寄ってみようと思わせるものが確かにあります。「子規庵」もお昼時で係りの人がいなくて入れなかったが残念です。

「子規庵」のパンフより
10:30-12:00 13:00-16:00


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