江戸のセンス 荒井 修 いとうせいこう
- 作者: いとうせいこう,荒井修
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 新書
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また現代はブランドのロゴを見せたくてしょうがないが,江戸では表は無地で普通のものでも,凝った裏を見られて「お洒落だね。いいね」と言われて「おうそうかい」とあえて気がつかないふりをするのが粋なんですね。千社札を貼る道具もあるそうです。四角い箱には千社札はもちろんのこと,貼る場所の汚れを拭くてぬぐいやのり,刷け,それに伸縮自由な刷けのついた棒があるといいます。そういえば高い神社などにも天井にも所狭しと張ってあります。本堂のほうに札の頭を向けて貼るのが正式らしい。品のいい粋とは,こざっぱりしていないといけない。江戸人が一番大切にしているのは「小体 こていな」なことだそう。「小」粋な女が「小」鉢に入ったつまみを持ってきてくれるのがいいのであって,大きいのは野暮なんですね。小粋でなきゃいけないのが,江戸のセンスなんですね。