黄表紙は現代の劇画です。それも風刺の効いた劇画でもあります。

江戸生艶気樺焼


「江戸生艶気樺焼」は山東京伝作の傑作だと言われています。現代からしても面白いタイトルですよね。「うなぎのかば焼き」をもじったものであるらしいのですが変わった、面白いタイトルの黄表紙は多いですね。「案内手本通人蔵(あなてほんつうじんぐら)」「辞闘戦新根(ことばたたかいあたらしいのね)」なんか笑ってしまいます。このへんが気楽に飛びつくところです。さて、艶気樺焼の主人公仇気屋艶二郎は醜男の典型として登場するのですが京伝の顔に似ているとも言われていますね。遊郭にてもてたいばかりにいろいろなことを自分で設定するけどそれが裏目裏目に出てしまうんですね。その努力と、財力には頭が下がります。現代に通じる売名行為などが共感を得ます。