ル・コルビジェ 生誕120年 ユリイカ 5月号

ユリイカ5


ル・コルビュジエ(Le Corbusier、1887- 1965)生誕120年ということでいろいろと話題になっています。日本では「国立西洋美術館」(1959年)が彼の設計であり,世界中の彼の建築が,一括して世界遺産に選ばれそうだということが新聞に出ていました。そうなると東京のど真ん中に世界遺産が誕生することにもなります。キューブな型の部屋,人間が住みやすく,最低限の空間,ウサギ小屋と揶揄された日本住居ですが,彼が設計すると合理的な空間に仕上がります。おそらく,現代建築家ならどこかに彼の影響は受けているだろうと思われます。いま流行のデザイナーズマンションなどにもどこかに彼の影響が見受けられます。


サヴォア邸(1929年),ロンシャンの礼拝堂(1955年)などはあまりにも有名な作品です。ユリイカ5月号の「サヴォア邸再考」中村研一氏は魅力ある文章を載せています。ここには建築家コルビュジェであって,画家でもあった氏を,ピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリストの鞭打ち」の絵が大きく影響をあたえたと言っています。画面構成,パースラインなどがコルビジェが建築基準として用いていたものを想像させるとも書いています。また,「受胎告知」のなかの遠近法も空間と視線の動きを建築に再現しているといいます。このサヴォア邸が作られてから80年近くたっているのにまだ人々を魅了する秘訣を解き明かしています。

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