モディリアーニー展 国立新美術館

modigliani

Amedeo Modigliani(1884-1920)
モディリアーニーの作品が大量にやってきました。日本人にも良く知られたこの作家の秘密はどこにあるのでしょう。Amedeo Modigliani(1884-1920)は35歳で病死しています。よく知られている作品は晩年の4−5年の間で描かれています。そして妻のジャンヌ・エビュテルヌJeanne Hebuterne(1898-1920)との生活も2−3年の短い間でした,二人目の子供を身ごもったまま彼女も彼の後をおうように自殺しています,まだ22歳だったのです。これらの悲劇もいっそう日本人受けする要因ではないでしょうか。

Seated Girl(Huguette)1917-18
手元のある展覧会の図録「モディリアーニー展」は23年まえ,1985年に東京国立近代美術館で行われたものです。当時日本で開かれたモディリアーニ展では最大規模のものだったような記憶があります。それにまさるとも劣らずの規模での開催です。数多くのデッサンが初めて見るものばかりでした。彼はブランクーシとも会っていて,彫刻家を目指していたのですが絵画を描くことになります。そういえばブランクーシの彫刻とモディリアーニの描くデフォルメされた細長い顔は似ていますね。

Jeanne Hebuterne(1898-1920)
それにしても美術館でレンタルされる解説用ヘッドホーンには問題があるのではないでしょうか。館内がすいてるときはいいのですが,混雑している中,ヘッドホーンの解説を聞き終わるまで絵の前を離れない人が大勢いて,行列が続いて鑑賞することもできません。また解説の文字が書いてあるパネル前や年譜パネル前など,確かに絵の知識を得て鑑賞するとより深いものになるでしょうけど,これらは後でも,また事前に知ることが出来ます。どうしてあのように数珠繋ぎに順路をだらだらと並んでいるのでしょう?私はあえて自分の目を信じて観るように心がけています。そして「この絵は好き,嫌い」と素直に感じるようにします。なにより本物を見る目を養うことだとも思います。そうすると贋作?は分かるようになるでしょう。美術書の印刷色では飽き足らなくなるでしょう。感性を養うとはそういうことではないでしょうか。「この展覧会の中であなたに1枚差し上げるとしたらどれがいい?」と言われたら,これだと思う絵は2度3度見直してもいいと思います。そのほうが多くの絵を見たあとの記憶にも鮮明に残ります。少なくともそのような気持ちで美術館に行っています。今回も連休中でもありましたが,その混みようには,また異常な鑑賞の仕方にはいささか腹立たしさを感じました。

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